もうすぐ、成人式を迎える私。
うれしいような、こそばゆいような…
実感がわかないというのが正直な感想だ。
「これからは大人の自覚をもって」とは、よく言われることだけれど、
私の目指す「大人」ってどんなものだろう。
ルールやマナーをよくわきまえた人?
社会人として生計を立てていけること?
それだけじゃない気がする。
思い浮かんだのは、叔母のこと。
いつもおしゃれなお菓子を携えてやってくる、
憧れの存在。
どんな時も穏やかで、
菓子折を差し出すときの指先の動きや、
お茶を飲む仕草は、見とれるほど美しいのだった。
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「先端」のきれいな人は真に美しい。
そこに「人」が出るものだから―
母はよく、私にそう説いていた。
髪の毛の先、指先、靴のつま先…
もしかしたら、言葉づかいや字といったものも、
自分の品性から生まれる
「先端」のひとつかもしれない。
叔母はそんなものが、まさにきれいな人。
うまく言えないけれど、私も叔母のように
すみずみまで気配りできる、
丁寧な心の持ち主になれたら。
自分はまだ、そんな人にはほど遠い。
けれど、いつか理想とする大人になれるように、
少しずつでも歩んでいきたい。
二十歳の空はどこまでも高く、広がっている。
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