もうすぐ、贈りものの季節がやってくる。
私の心がいつもより弾んでいる理由—
それは、主人の名前でやりとりするお中元とは別に、
「自分の名前」でやりとりしているものがあるからだ。
それは、私と親友との間で交わされている「夏の約束」。
高校卒業とともに上京、就職し、結婚した彼女と、
近況報告をかねて、この季節
ちょっとしたプレゼントを贈りあうことにしているのだ。
記念日に義理堅い彼女とは、若いころから折にふれて
プレゼントをやりとりしていたのだが、今やどちらも家庭の主婦同士。
無理なく続けるために年1回にまとめようよ、
年末は忙しいからじゃあ夏ね、となったのだった。
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いわゆる転勤族と結婚した彼女からの贈りものは、
その土地ならではの珍しいものばかり。
反対に、私からの贈りものは「ふるさと便り」のような雰囲気が漂う。
今年は、彼女が好きだったお店の、評判の新商品と決めている。
なかなか帰省できない彼女に懐かしい香りを届けたい。
大人になって、とりわけ主婦になると、何かを贈られる機会は少ない。
それだけに、自分あての小包というのは本当に嬉しく感じる。
彼女との「約束」は、これからも元気にがんばろうね、というねぎらいでもあり、
妻として、母としてだけではない顔も大切にしようね、という約束でもあるのだ。
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