2月14日はバレンタインデー。今ごろ、どんな風に思いを伝えようか、何を贈ろうか…さぞかしお悩みの方もいらっしゃるかと思います。いつもと趣向を変えて、今回はバレンタインデーにまつわるこんな小さな物語はいかがですか?
◆幻のチョコレートケーキ
これは、結婚を間近に控えたお客様から聞いたお話です。ある日、ふと彼女が婚約者にこんなことを尋ねたそうです。「私が今までプレゼントしたものの中で、何が一番うれしかった?」。すると、こんな答えが返ってきました。「もらえなかったチョコレートケーキが一番うれしかったよ」。
彼女は思い出しました。長い交際期間の中で、何度となく二人の間をさまざまなプレゼントが行き来しましたが、一度だけバレンタインデーに渡せなかったチョコレートケーキがあったことを。こがして失敗してしまったケーキを前に、彼女の頭にはショーウィンドウに並ぶきれいなケーキの姿が浮かんでいました。はじめから買うべきだったんだ…。そして約束の時間。彼女はケーキのことを正直に彼に話し、「プレゼントはないの」と告白しました。事情を聞いた彼はなぜかうれしそうに笑い、それから食事に連れて行ってくれたそうです。
さて、この話には後日談が。バレンタインデーから1ヶ月後のホワイトデー。彼もまた彼女へのお返しを作っていました。果敢にも、お手製ケーキをプレゼントしようと試みたのです。しかし、ケーキはうまくふくらまず失敗。彼もそのことを彼女に話し、二人はまた1ヶ月前と同じように手ぶらで食事に行ったそうです。
今となっては、2人の笑い話になっているそうですが、この話に「贈り物」の本質をみる思いがします。もちろん、きちんとケーキが完成していれば、この上ないプレゼントになったことでしょう。でも、氣持ちがこもっていれば、どんなささやかなものでも─心づかいさえも─心に残る贈り物になるのです。今年のバレンタインデーも、そんなあたたかいドラマが繰り広げられるといいですね。
2月のお菓子 |
★チェリーボンボン |
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さりげなく、秘めた思いを伝えて。 |
1年ほどラム酒に漬けた大粒のさくらんぼを、チョコレートで包んだ大人のお菓子。口の中でとろける果肉と、濃厚なブランデーがたまりません。さくらんぼは、湯沢市・三浦果樹園で栽培されたものを使用しています。 |
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